さて、2005年です。
この年に集まった作品は全部で1977作品。2004年と比べて僅かに減りましたが、それでも相当な数が集まっています。
この頃は何があったのかなぁ、私はプライベートが忙しい年だったこともあり、あまり覚えていないのですが、確かこの頃(2004年くらいからだったと思う)はIRC使ってチャットやってましたね、あんまり人は集まらなかったけれどまあ多少はいました。それが2005年に今のチャットに置き換えたんだったと思います。
サイト自体は特に変わりなく平穏無事に進行していった一年だったはずです。
ただ、この年の後半、ただでさえ慌しかった私のプライベートに色々と大変なことがあったので、なかなか作品が掲載できない時期が続いちゃったんですね。特に年末は転職活動なんかもしていたのでなかなか動けませんでした。
これが年末の掲載作品数の減少につながり、そして2006年の投稿作品数の大幅な減少にも繋がっていく、2005年はそんな、陰り始めの年です。
ただ、確かこの年のどこかで、同時に投稿できる作品数を一作品(以前は三作品くらいまで同時に投稿できた)に減らしたので、その影響もあると思います。ひとつひとつを大事に書いて投稿して欲しいので、多少減るのは仕方がない。しかし私が掲載できないせいで減ってしまったのは正直残念なところです。
さて、作品を見てみましょう。
まりも作「強がりウサギ」
http://j-world.nu/servlet/do/viewer?id=5455&poet=426
>カーテン開けてあくびをひとつ
>カラカラしてる日曜日。
繰り返し行末に「日曜日」の語をもってくるこの感じ、この音、素敵です。
各連が短く読みやすく、すいすい読んでいける。読みやすさが解り易さに繋がっています。
>ホントは君と過ごしたかった
>1人ぼっちの日曜日。
重いところのない、ふんわりとした寂しさの描き方が好きです。
綺莎斗作「ぜつぼうパーセンテージ」
http://j-world.nu/servlet/do/viewer?id=5839&poet=819
へえ、こんな作品があったんですね。
ひらがなって、柔らかさを出すのにすごく具合がよいのですが、この作品はけっこう重いことを書いている。
漢字より文を認識するのに時間がかかる分だけ、ふわふわとしたリズムができあげるけど、物語はそのまま重く進行していく。
>ごめんなさい
>ほんとうはいけないとしっているの
>もちだしきんしのほんや かぎのかかったきんこ
>まぎれこめないちきゅう
ここで描かれている世界も決して嫌いではないけど、これがふつうに漢字かな混じりで書かれていたとしたら、読むスピードが早くなるだけ、この言葉を味わえなかったでしょう。普通の文で書いたらたぶん、特に面白くもない作品だった。
>ぜつぼうパーセンテージはいまもぞうかけいこうにあって
増加傾向って言葉を認識するまでに時間がかかるのがわかるだうか?かけた時間の分だけ言葉を飲み込ませる力がある。
ひらがなの力を見せてくれた興味深い作品です。
シド作「ウルトラマン」
http://j-world.nu/servlet/do/viewer?id=6516&poet=296
直球!このかわいらしさがシドですねぇ。
>少しの間
>強くなれたら
これを表す題名として「ウルトラマン」なんて、いいセンスです。そういや彼はかつて「ドラゴンボール」なんてのも書いてたな、アニメとか特撮とか色々な世界からキーワードを持ってきて、それをきちんと作品に消化している。
奥田 具樹作 大衆ステップ
http://j-world.nu/servlet/do/viewer?id=6782&poet=119
まったく、毎年の作品を挙げて、彼の名が挙がるのは何度目だろう?
この不思議な脚韻、淡々と渇いていて、しかし冷たくもない。小さく、だがはっきりと呟くようなリズム。
読んでて悔しくなるくらいうまいじゃないか。
さて、いよいよ次回は作品数の大きく減る2006年、ここさえ書き終われば、ようやっとこの記事も現実に追い付きます。
次はちゃんと年内に書きますのでご期待ください。
では、Jackでした。