さて、2003年の急成長を経て2004年のJack's Roomはどうなっていたのでしょう?
2004年は、一年間になんと2206作品もの作品が集まりました。すごい数です。あまりの量に私の掲載作業も追いつかないくらいでした。この状況を打開するために、Jack's Roomの投稿システムの大幅な刷新を行いました。
それまではメールによる作品投稿をやっていたのが、Web上のフォームによる投稿に変わりました。これによって私の掲載作業の負荷は大幅に軽減されたので、忙しい状況でも、私が家に帰れなくても掲載作業ができるようになりました。
また、この時いっしょに、背景色を白に変更しています。最初のJack's Roomは黒背景に黄色い文字(タイトルは赤)だったのですが、どうにも雰囲気が暗い。2001年に黒い掲示板を明るいカラーに変えたら、掲示板の雰囲気自体が変わったこともあったし、この機会にサイト全体の配色を明るくしたら、雰囲気が明るくならないかと思って変更に踏み切りました。
掲示板ほど効果がはっきり見えるわけではないですけど、それでもこの変更は気に入ってます。
この2004年のシステム変更から、今に至るまで基本的にはJack's Roomのシステムに変更はありません。今のJack's Roomの形はこの年に完成したわけです。
それでは、作品を見てみましょう。
鍋口水子作 「餅を食う為に」
http://j-world.nu/servlet/do/viewer?id=3215&poet=287
いやぁ、これはうまそうだ。
>らんらんと
>こおこおと
>ぱちぱちと
この炭火の描写が素敵。餅は最後まで具体的には登場しないけど、生き生きとした炎の描写がその場に登場しない餅のイメージを浮かび上がらせてくる。まあもう少し餅そのものを描いた方がわかりやすかったかもしれないけど。
けがに作 「おこげ」
http://j-world.nu/servlet/do/viewer?id=3990&poet=489
作品が短いのであまり多くは語れないけど、シンプルで素敵。
こんな風に言葉が使えるのかって驚いた作品です。
奥田 具樹作 「月の眺め方」
http://j-world.nu/servlet/do/viewer?id=3558&poet=119
さすが奥田ワールドはきれいですねぇ。
>一方
>駅までにどうにかキスを奪うべく
>とっておきのかっこいい台詞を練りあげてた僕は
>面食らって、いやむしろ少し苛立ちながら
>どうでもいいような月をとりあえず眺めながら
>何となくあいづちうってた気がする
気持ちがすごくよくわかります(笑)
このリアルな感情を描きつつ、作品としてきちんと綺麗に形にできる。流石ですわ。
砂作 「雨音はエリックサテヰの調べ」
http://j-world.nu/servlet/do/viewer?id=4480&poet=539
うわ、きれいだなあ。
>蔦の葉を落ちる雨だれの音に聞き入ってしまったんだもの。
こういう風に自然の音に耳を傾けられる穏やかな心が欲しいなあ、私も。
なんか、久しぶりにみんなの作品を読んでいて、当たり前だけど私とは違う言葉を持っていて、その言葉が心に触れる度に、なんだか羨ましくなってきます。私もちゃんと書かないとなあ・・・。
Jack作 「苛立ち」
http://j-world.nu/servlet/do/viewer?id=4305&poet=343
これはけっこう反応よかったですね。
4行とか、短い形で書いてみると、語り尽くしていない部分が多いので、自然と作品の解釈を読み手の想像力に委ねやすくなる。書く方も集中力を切らさずに最後まで書ききれる。ただ、色々語りたいことがある中で、それをどんどん削り落としていくことが必要だから、それはそれでけっこう難しい。
確かこの作品から4行にハマって、しばらく書き続けていたと思います。
さて、2004年まで書いたので、ようやくこれでJack's Roomが今の形になったところまで書けました。
この後はどちらかというと、衰退の歴史なのでちょっと書き辛いんだよなあ・・・(笑)
でも、なんとか2006年まで書いて、2007年以降は毎年の年末~正月くらいにでもまとめが書けたらいいかなあって思ってます。長いことほったらかしにしてしまってごめん。ここまで読んでくれた方ありがとう。Jackでした。