2008年04月25日

楽しく短歌入門「かんたん短歌の作り方」

今回はちょっと今までと違う雰囲気のものを紹介してしみましょう。

筑摩書房 枡野浩一著「かんたん短歌の作り方(マスノ短歌教を信じますの?)」

なんか妙なサブタイトルがついてますが、これは元々は少女マンガ誌でやっていた短歌の投稿コーナーをまとめた単行本のようです。

短歌の本ですが、短歌も詩の一形式と言えるし、この本の短歌は短歌といっても難しい言葉(古い言い回しとか)を使わずに現代の言葉で書かれている短歌(著者はこれを「かんたん短歌」と呼んでいる)なので、Jack's Roomで詩を書くにあたって得られることもけっこうあります。

投稿コーナーの運営者(つまりこの本の著者)の枡野浩一は歌人なので、投稿者に対して歌人の目から様々にアドバイスをくれています。それも、あまり気難しさのない気楽な投稿コーナーのようなので、難しいアドバイスじゃなくて基本的なアドバイスが多いです。
短歌に対するアドバイスなので短歌に特化したもののありますが、ウソをついてでも面白く、とか、自分が普段使う言葉でも表現は難しいのに無理に古い言葉を使うなとか汎用的に役に立つものもあるし、Jack's Roomで詩を書くのに七五調を使ってもよいのだし(ゆえに短歌の音に対するアドバイスも役立てられる)、それなりに参考にできるはずです。

そして何より、掲載されている投稿作品がヘンな力の入っていない読みやすいものなので、Jack's Roomで書く人達にとってはけっこう親近感の沸く作品なんじゃないかなと思います。とっつきやすさという点ではとてもよい創作の入門書となり得るでしょう。

そして、投稿コーナーだけにコーナー運営者の苦労もあるようで、最初は一人何点でも投稿okだったのが途中から誌面に応募券を印刷し、それをハガキに貼り付けた上でハガキ一枚につき三首までという制限が設定されたりとか、私がJack's Roomで経験したことと同じような悩みが運営者にもあったりして、そんな部分にも私はちょっと共感できたりします(笑)

ただ、後半主催者の個人的な話が沢山出てくるのは・・・これはちょっと、雑誌で読んでる人じゃないとピンと来ないんじゃないかなぁと思います。いちおう全部読みましたが「短歌の作り方」とは遠い部分も多いです。あと、この人の文体はちょっと好みが別れるかもしれない。

ところで、この本の元になったのは少女マンガ誌「キューティ・コミック」なのだそうですが、実際にこの投稿コーナー読んでいた人っていませんか?いたらリアルタイムで読んでいてどう感じたか、ちょっと聞いてみたいです。

というわけで、知ってる人がいたらコメントください。

posted by Jack at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集/書籍紹介

2008年04月18日

書けないときにできること

今週はちょっと忙しかったので、記事を書く時間があんまり取れませんでした。忙しいときって、ちょこっと時間を見つけてPCに向かってもいまいち書けなかったりするんです。おかげで掲載時間ぎりぎりになってこの記事を書いています。

Jack's Roomの作者のみんなも、なんとなく、詩が書けないときって経験したことがあると思います。

まあ、仕事で書いているわけでもないので、書けないと感じたら無理して書く必要なんてないのですが、たまに書けなくて悩んでいる人がいるようなので、今日は書けないときの話にしてみましょう。

まず最初に言えるのは、繰り返しになりますが書けないときに無理して書く必要はないと思います。そういう状態で無理に作品を投稿しても、後で納得行かないことが多いと思います。納得の行かない作品ばかり作品リストに並ぶのは後々イヤになってくるので避けたほうがよいでしょう。なので、詩を書く以外に気分転換とかできるなら、そっちに時間を
使ったほうがよいでしょう。

どうしても書きたい、それでも書けないなら、書けるだけ書いて、行き詰ったところで書きかけの作品を保存しておきましょう。後で読み返せばうまく書けるかもしれません。私のコンピュータにはそういう書きかけの作品が100本以上も眠っていますが、時々その中から作品を完成させて投稿してます。

また、詩を書かなくても、詩に繋げられることはあります。書くことから離れて気分転換している最中でも、詩に関してふと思いつくことはあると思います。そういう思い付きをきちんとメモして残しておくと、後で書く時に読み返して思い出すことができます。メモとか残しておかないと、人はすぐ忘れてしまうのでメモは重要です。長い文章でメモを残さなくても、いくつかの単語を記録しておくだけでも、後で思い出せる情報量はけっこう多いものなので、ごく簡単にメモを残すだけで充分です。これならちょっと忙しいときも合間にできると思います。

私は普段から、何か思いついたら携帯電話を使って自宅のPCにメールするようにしています。こういう習慣をつけておくと、書けない時でも書くための材料集めができるようになります。そういう材料の蓄積はいざ詩を書く時にとてもよいヒントになります。

そして、思いつきは悩んでいるときより、気分転換の最中のほうが浮かびやすいと思います。だから、書けない時はさっぱり気分転換してしまいましょう。その間に思いついたヒントだけでも、確実に前進できますから。

というわけで、書けないブログ記事を埋めるために詩を書けない時の話をしてみました。みんなは、書けない時にはこうする。とか、そういう習慣ってありますか?あればぜひ、コメントでお話を聞かせて欲しいです。
posted by Jack at 00:10 | Comment(2) | TrackBack(0) | 詩の書き方、読み方

2008年04月11日

詩集紹介「ポケット詩集」シリーズ

さて、今回は、掲示板で何人かの方々がおすすめしてくれた「ポケット詩集」です。

調べてみたら、ポケット詩集はシリーズもののようで、三巻まで出ていたので、三巻ともAmazonで購入してみました。

目次を見てみて、なるほどこれは確かにみんながおすすめする詩集だということがわかります。様々な詩人の数々の名作が収められていて、最初に読む詩集としてぴったりだと思います。

詩は詩人によってまるで雰囲気の違うものが生まれてくるし、読む方にも好き嫌いが出てきます。最初にそういう、好みの合わない詩集を手にとってしまったら、詩を読む気がしなくなってしまうかもしれないし、何が自分の好みに合うのか探してみるためにも、幅広い作品の収められた詩集というのは有用だと思います。

この詩集、本の大きさはよくある文庫本サイズなのですが、形としてはハードカバーな本になっています。先日旅行に持っていって思ったのですが、頑丈なので無造作にカバンに放り込んでも折れ曲がったりする心配がない。ポケット詩集の名の通りポケットに入れる・・・にはちょっと硬いので邪魔ですが、カバンに忍ばせて常に持ち歩くのにも向いている作りです。

ちなみに、一巻の最後は以前取り上げた茨木のり子の「自分の感受性くらい」になっています。先日菜の花の話で触れた山村暮鳥の「風景」も第三巻に収められています。

様々な作品が出ているので、どれかひとつを取り上げて解説してみてもこの詩集を説明できなくて、あまり多くのことは言えないのですが、私としては、こう思います。

もしあなたが、まだ自分の好きな詩、好きな詩人に出会えていないと思うなら、まずこの詩集を手にとってみるとよいかもしれません。

もちろん、既にお気に入りのある人にとっても、きっともっと世界を広げて行くのに役に立つことと思いますが。

posted by Jack at 00:10 | Comment(1) | TrackBack(0) | 詩集/書籍紹介

2008年04月04日

見えないものを見出す

緑色の海もうだいぶ前のことになってしまいましたが、3月の15日に浜離宮に菜の花を見に行ってきました。

行ってみると、貼り紙がしてあって、菜の花の開花が例年より遅れているのことで、目の前には緑色の菜の花畑が広がっていました。他の場所(埼玉県)ではもう咲いてるって話を聞いてきたのですけどねぇ・・・

がっかり。

・・・いや、がっかりといえばがっかりですが、花が咲いていないからといってそのまま帰るのも(入場料払った後だし)つまらない、しばらく緑色の菜の花畑を眺めていました。

菜の花畑にじっと佇んでいると、記憶の中に満開の菜の花が甦ってきます。

ずっと向こう。あの畑の途切れる辺りまで、一面に広がる金色の海。眩しい春の日の光景。そしてやがては、いつか見た菜の花畑の、その外側や向こう側に広がる光景まで・・・人はそこに、存在しないものを見出すことができます。

ふと、石垣りんの「幻の花」という詩を思い出しました。

庭に
今年の菊が咲いた

子供のとき、
季節は目の前に
ひとつしか展開しなかった。

今は見える
去年の菊。
おととしの菊。
十年前の菊。


この前半部のあと、この作品は急展開していくのですが、それは今回置いといて、目の前の花から別の花を見出すところを思い出したわけです。

こんな風に、対象を実際に眺めてみると、そこにないものを見つけることもできるはずです。目の前の対象を詩として表現するにあたっては、その対象をよく見ているうちに浮かんでくる、そこに存在しないものも重要な要素になってくるでしょう。実際には存在せず、しかしあなたに見えたものは、同じ対象を見たあなたにしか見えなかったかもしれません。けれど、それが作品に描かれた時、あなたは読者にもその光景を見せようとしているわけです。そのようにして見せられた光景は読者にとって新鮮な驚きになることと思います。

そのようにして、存在しないものを見出すことによって対象をより輝かせる。対象をよく見つめているとそんなこともできるようになるはずです。

結局言いたいことは前にも言った「よく見てみましょう」ってことなのですが。

何か書きたいものを見つけたら、焦らずに、じっくりと向き合ってみることをおすすめします。
花はいつか散ってしまいますから、せっかく咲いているうちは詩に書くよりも実物を楽しまないともったいない・・・かな?


金色の海ここから余談ですが、こちらはその一週間後に同じ場所で眺めた菜の花畑です。
満開ではなさそうですが、それでも充分な迫力で金色の海が広がります。

菜の花畑を眺めて思い出す詩といえば山村慕鳥の「風景」(引用は省くが青空文庫で読めます)ですね。
広大(浜離宮は狭いけど)な菜の花畑を眺めると、山村慕鳥が何故あんなに「いちめんのなのはな」と繰り返したのかなんだかちょっと伝わってきます。この圧倒的な光景とそれへの思いをどう表現するのか、凝った言葉を尽くすよりも、いっそ同じ言葉を繰り返して表現したいくらい、小さな花がどこまでも広がる様は見る者を圧倒して迫ってきます。
posted by Jack at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 詩の書き方、読み方

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