2008年02月08日

オマル・ハイヤーム「ルバイヤート」

さて、詩集紹介の一回目は、私のいちばんのお気に入りの詩集で、なおかつ安価で短く読みやすいものにしてみました。

オマル・ハイヤーム作、小川亮作訳「ルバイヤート」、ルバイヤートとはペルシアの四行詩「ルバーイイ」の複数形の意とのこと、つまりそのまんま「四行詩集」って言っているわけですね。

作者オマル・ハイヤームは11世紀ペルシアの詩人だそうで、えらく昔の作品ですが、口語体の日本語に訳されているのであまりそういう年月は気になりません。

私と「ルバイヤート」との出会いは、今から八年くらい前、当時よく通っていた吉祥寺のバーの、お客さんの一人が作ったお店のウェブサイトでした。

もう随分前に閉店してしまったお店なので、サイトはもうなくなっているのですが、そこのトップページにはこんな言葉が並んでいました。

恋するものと酒飲みは地獄へ行くという
根も葉もないたわ言に過ぎぬ
恋する者や酒のみが地獄に落ちたら
天国は人影もなくさびれよう!


これは、「ルバイヤート」の中に収められている第87歌です。バーのサイトに載せるにはぴったりな作品と言えるでしょう。「ルバイヤート」にはこのような、お酒に関する作品がいくつもいくつも出てきます。それゆえに、ルバイヤートの名前は日本においてもワインのブランド名になっていたりするほど、お酒との結び付きの強い詩集なのですが、ただ陽気な酒飲みの歌というわけではありません。

さあ、ハイヤームよ、酒に酔って、
チューリップのような美女によろこべ。
世の終局は虚無に帰する。
よろこべ、ない筈のものがあると思って。


このように、無常観っていうか諦観っていうか、ハイヤームの感じている虚しさという感情がお酒と共に描かれています。なんていうか、1000年前だって、人は飲まなきゃやってられなかったんですね。もっとも、翻訳なので訳者の影響もあるのかもしれませんが、この感覚と酒のバランスが余計にハイヤームの感情を際立たせています。

まあ、たまに「大丈夫かこいつ?アル中じゃないのか?」と思うような作品もあったりしますが(笑)

「ルバイヤート」にはこんな素敵な四行詩が全部で143作品収められています。ひとつひとつが短いので電車の中とか、ちょっとした空き時間にでもゆっくり味わって読みやすく、薄い文庫本なこともあって持ち歩くのにも良い詩集です。

短い詩は読み易いので、あまり詩集を読んだことがない人や、ゆっくり詩を読む時間が取れない人なんかにぜひおすすめです。この「ルバイヤート」なら、短時間にでも、素敵な作品に出会うことができるはずです。

なお、青空文庫でも読めます。

※記事中の引用部分は全て岩波文庫の小川亮作訳「ルバイヤート」から引用させていただきました。
posted by Jack at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集/書籍紹介

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