2008年02月29日

たまには手書きに帰ってみる

こんばんは、Jackです。

先日ちょっと旅行に行ってきました。二泊三日の日程で、カバンに詩集を何冊か入れて、特に観光するでもなく部屋で詩を読むという旅をしてみました。

読むだけでは飽きてしまうので、時々ノートにあれこれと言葉を書き付けていた(詩までは完成しませんでしたが)のですが、長らくコンピュータの仕事を続けている身としては、手書きで文を書くのはずいぶん久しぶりのことで、最初のうちはどうにもやりづらく感じました。

しかも、字が、すっごく汚い。元々綺麗なほうではないですが、書くスピードがうまくつかめなかったようで判読が難しいくらいの字になっている。

読めなくては仕方がないので、今度は字をていねいに書くことを心がけて、ゆっくり書いてみました。

すると、字もきれいになりますが、書きながら次の言葉を探してゆく思考のスピードもゆったりしたものになってきます。書きながらひとつひとつの言葉をゆっくりと味わう。書くことのスピードが落ちたことで、そういう余裕ができたようでした。

コンピュータ上でキーボードを使って文字を書いていくと、実に素早く文が書けます。書けますが、素早く書けてしまうがゆえに、書きながら走る思考もスピードアップして、その分思考から細やかさが失われてしまう。

なんていうか、現代はちょっと急ぎすぎているのかもしれません。

詩を書くのにどちらがよいのかはわかりません。現代詩の詩人達はコンピュータが普及する前から書いているだろうし、おそらくその多くが手書きだと思いますが、我々も手書きにしなければならない、とまでは思いません。逆に、スピードアップした思考から生まれるものもあるかもしれない。さらに、書いている途中の思考が速過ぎるなら、書き終えてからもう一度ゆっくり眺めてみることで補えるものもあるかもしれない。最終的に作品にたどり着けるなら、どんな方法で書いても良いと思います。

でも、あまり手書きで詩を書いてみる習慣のない人は、時々手書きにしてみるとよいかもしれません。

私の場合、もう10年くらい手書きで書いていませんでしたが、久しぶりに、ゆったりしたスピードで思考してみて、新鮮な驚きがありました。たぶん、この思考のペースをつかめれば、キーボードでもゆっくり考えていけるようになるんじゃないかとも思います。

また、コンピュータよりもペンとノートは持ち運びがしやすいので、どこでも書けるのも利点でしょう。風景とか自然物とか、目の前で見ながら書けるのは、帰ってきてからコンピュータに向かうよりずっと書きやすいはずです。

というわけで、たまには、ペンとノートを持って出かけてみませんか?

// Jack
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2008年02月22日

これは必読 茨木のり子「詩のこころを読む」

さて、二冊目の紹介にしていきなり詩集じゃない本が出ます。

とはいえ、詩集ではないですがこれから様々に詩を読んでいく方にぜひ読んで頂きたい本なので、他の詩集を紹介する前にこの本を紹介しておきたかったのです。

さて、この岩波ジュニア新書「詩のこころを読む」ですが、著者は茨木のり子、詩人の方です。この人自身の作品も素敵なのですが、この本では茨木のり子自身の作品ではなく、他の人の作品を紹介しています。

こういう、詩について書かれた本では、数多くの詩を引用することが多く、また、色々な詩人の作品を扱うので、当てずっぽうに詩集を買うよりも手軽に、様々な作風に触れることができます。

そして、この本はジュニア新書に収められていることからも解るように、若い人達向けに解りやすく書かれています。詩について解り易いという本というのはとても貴重です。詩の入門書らしきタイトルを見つけて手にとってみても、難しい話が延々と続けられていて「やっぱり詩は難しいのか」と思ってしまうことは私にはよくあります。しかし、この本から始めれば難しい思いをせずに詩の世界に入っていけると思います。

本物の詩人が詩について易しく解説している、詩人の目で詩を読んでいる。ひとつの作品からどれだけ多くのことが読めるのか、またどれだけ多くのことが書けるのか、よくわかります。

解り易い作品から難解な作品まで様々紹介されています、私はあんまり難解な作品はあまり得意ではないのですが、難解な作品でも茨木のり子が丁寧に解説してくれます、時には作者がどのような人であったか、その作品が書かれた頃作者はどうしていたのかなど作品の外の部分にまで踏み込んで教えてくれます。そのような話を通して、読者は自然に詩の世界に入り込んで行きます。

茨木のり子が私達を詩の世界へ導いてくれるというわけです。

もちろん、詩に正しい読み方というのがあるとも思えないので、この本でやっているのは茨木のり子の読み方ですが、しかし、多くの方にとって違和感のあるような読み方はしていないと思います。少なくとも参考にはできるはず。

詩を読むことは詩と向き合う最初の一歩です。詩を書くためにはまず読むことが欠かせません。読む力を身に付けることができれば、一篇の詩があなたにもたらすものが、今までよりずっと大きなものになってきます。

値段も手ごろで入手しやすい本なので、これから詩を書きたいという方はぜひ一度手にとって欲しい一冊です。


posted by Jack at 00:10 | Comment(1) | TrackBack(0) | 詩集/書籍紹介

2008年02月15日

読む時も落ち着きが大事

こんばんは、Jackです。

さて、前回は書き方についての初歩的なところ、ゆっくり書きましょう。というお話でしたが、今回は読み方について話してみましょう。読み方を意識して読めるようになれば、ただなんとなく読むよりもひとつの作品から得られる情報量、感じ取ることができるメッセージの量が違ってきます。このことはきっと、自分が作品を書くときのインスピレーションを養うことに繋がるとともに、何より自分の作品を書く過程で読み返すときにも役に立ちます。

さて、ということで読み方の初歩ですが、実はこれも書き方と同じです。

ゆっくり読んでみましょう。

詩を読むときに、他の文章を読むのと同じように、すいすいと黙読していませんか?

本来詩は言葉と、その音を楽しむものなので、黙読のスピードで読んでしまうと、まず音がイメージしづらくなります。

また、音だけでなく、複雑なメッセージなどは、ゆっくり読んだ方が頭と心に入りやすいです。書く方は時間をかけて文を組み立てているので、文面に向き合う時間が長くなる分、素早く読んだだけでは頭に入って来にくい文を組み立ててしまう面もあります。

だから、ゆっくり読んであげると、作品を味わいやすくなるんです。

できれば音読してもらうのがいいです。人に聴こえないくらいの呟きでも、発音すると読むスピードは発音のスピードに制限されますから、自然とゆっくりになります。また、小さな音であっても、音を意識して読むことができます。

しかし、夜中に部屋で独りでぶつぶつ言ってるのもちょっと抵抗があるなら、頭の中で読み上げる声をイメージするだけでも違ってきます。特にこの方法を取る場合、読み上げる声を色々にイメージすることができます。朗々と声高く読み上げるのか、それとも囁くような声なのか、男性の声なのか女性の声なのか、ここまで行くと、ひとつの作品からイメージできる世界がずっと広がってくるはずです。

読み方を意識してみるだけで、ひとつの作品の楽しみ方が大きく広がるので、ぜひ試してみてください。

ただ、今のJack's Roomは作品数も多いので、ひとつひとつをじっくり読んでいたらどんどん新しい作品が出てきてしまって・・・という方もいると思います。確かにその通りなので、普段はさっと黙読してみたとして、気になる作品が見つかったら、その時はゆっくり作品と向き合ってみる。そんなスタイルが現実的な落としどころかなあと思います。

さて、ここまでで読むほうも書くほうも「ゆっくり行きましょう」という話になりました。それに続いて話せることは・・・実は今まだちょっと考えてないです(笑)

とりあえず、色々考えてみます。

それでは、Jackでした。


//Jack
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2008年02月08日

オマル・ハイヤーム「ルバイヤート」

さて、詩集紹介の一回目は、私のいちばんのお気に入りの詩集で、なおかつ安価で短く読みやすいものにしてみました。

オマル・ハイヤーム作、小川亮作訳「ルバイヤート」、ルバイヤートとはペルシアの四行詩「ルバーイイ」の複数形の意とのこと、つまりそのまんま「四行詩集」って言っているわけですね。

作者オマル・ハイヤームは11世紀ペルシアの詩人だそうで、えらく昔の作品ですが、口語体の日本語に訳されているのであまりそういう年月は気になりません。

私と「ルバイヤート」との出会いは、今から八年くらい前、当時よく通っていた吉祥寺のバーの、お客さんの一人が作ったお店のウェブサイトでした。

もう随分前に閉店してしまったお店なので、サイトはもうなくなっているのですが、そこのトップページにはこんな言葉が並んでいました。

恋するものと酒飲みは地獄へ行くという
根も葉もないたわ言に過ぎぬ
恋する者や酒のみが地獄に落ちたら
天国は人影もなくさびれよう!


これは、「ルバイヤート」の中に収められている第87歌です。バーのサイトに載せるにはぴったりな作品と言えるでしょう。「ルバイヤート」にはこのような、お酒に関する作品がいくつもいくつも出てきます。それゆえに、ルバイヤートの名前は日本においてもワインのブランド名になっていたりするほど、お酒との結び付きの強い詩集なのですが、ただ陽気な酒飲みの歌というわけではありません。

さあ、ハイヤームよ、酒に酔って、
チューリップのような美女によろこべ。
世の終局は虚無に帰する。
よろこべ、ない筈のものがあると思って。


このように、無常観っていうか諦観っていうか、ハイヤームの感じている虚しさという感情がお酒と共に描かれています。なんていうか、1000年前だって、人は飲まなきゃやってられなかったんですね。もっとも、翻訳なので訳者の影響もあるのかもしれませんが、この感覚と酒のバランスが余計にハイヤームの感情を際立たせています。

まあ、たまに「大丈夫かこいつ?アル中じゃないのか?」と思うような作品もあったりしますが(笑)

「ルバイヤート」にはこんな素敵な四行詩が全部で143作品収められています。ひとつひとつが短いので電車の中とか、ちょっとした空き時間にでもゆっくり味わって読みやすく、薄い文庫本なこともあって持ち歩くのにも良い詩集です。

短い詩は読み易いので、あまり詩集を読んだことがない人や、ゆっくり詩を読む時間が取れない人なんかにぜひおすすめです。この「ルバイヤート」なら、短時間にでも、素敵な作品に出会うことができるはずです。

なお、青空文庫でも読めます。

※記事中の引用部分は全て岩波文庫の小川亮作訳「ルバイヤート」から引用させていただきました。
posted by Jack at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集/書籍紹介

2008年02月01日

落ち着いてゆっくり書きましょう

こんばんは、Jackです。

さて、今回は書き方について、といっても、これを読んで書くのが上手くなるかどうかはわかりませんが、少なくとも失敗を減らせる、というくらいの、ごく初歩的な内容です。

Jack's Roomに来て始めて詩を書くような方とか、そういう初心者の方を対象にしているので、慣れた方には自分のスタイルと合わない方もいるかもしれませんが、別にこれが正解というわけでもないので、それはそれで良いでしょう。

さて、それで書き方について最初のお話はタイトルにもあるとおり「ゆっくり書きましょう」です。

詩を書くとき、まず最初に何をしますか?

いきなりJack's Roomの投稿画面を開いていませんか?

それはオススメできません。あの画面はJack's Roomに作品を投稿するための画面であって、プレビュー機能もついているとはいえ、ちょこちょこ直しながら全体を見通すのにも不向きですし、なにより、書きかけの作品を置いておくことができません。

すると、ちょっと納得のいかない作品でもその場で投稿してしまいがちになります。

これはよろしくないです。一度発表してしまった作品はJack's Roomでは手直しできませんし、作品発表の場というのは大体そういうものです。そういうところに納得できないままの作品を投稿してしまうのは本人にも悔いが残りますし、あなたの作品を読んでくれる人に対してもよくないでしょう。自分の作品には少なくとも自分自身は納得できるまでしっかり向き合った方が良いです。

私の場合は、ひとつの作品を書くのにだいたい3日~5日くらいの時間をかけます。直接作品に向かっているのは数時間程度ですが、例えば仕事中にでも、今書いている作品のことを思い出すことはあります。まだ投稿していない作品なら、その時気付いたことを作品に反映できるわけです。

例えば書籍などの場合、作者が使う時間もそうですがさらに編集者等入って校正など色々と時間をかけているわけです。個人で書く作品にしても、やはりある程度の時間はかけた方が書きやすいと思います。

私の場合だと、最初の一日はほとんど下書きです。書きたいことをどんどん書いていきます。ある程度書いたなと思ったら、不要な部分を消して、また必要と思われる部分が出てくれば付け足します。それを何度か繰り返して、その日はとりあえず置いておきます。

数日過ぎてから再度作品を前にして、さらに不要な部分を削ります。付け足すよりも削る方が多いです。作品の長さについては好みの問題ですが、作品全体が長くなってしまうと、書く側にとっても全体を見通す集中力が維持しにくくなるし、読む人にとっても同様なので、私はあまり長くしないようにします。

それから、誤字脱字がないかもきちんと確認して、英単語など使う場合はスペルが間違っていないことも確認しておきましょう。

また、私の場合この段階で音読します。朗読というほど大したものでなく、ただ呟いていくだけですが、音にしてみると不自然な部分をこれで直していきます。

この時点で作品を投稿するか、あるいは、まだ納得できなければ再度置いておきます。そのまま投稿しなくなった作品というのもけっこうありますが、それはそれで、後日書くヒントになったりもするので、投稿しなかった作品も作者にとって貴重な財産になります。

時間はある程度かかる方法ですが、このように時間をかけてゆっくりと作品に向き合うと、投稿するときにはある程度自分として納得できるものができあがります。書き上げただけでもけっこう満足感が得られると思います。

こうした書き方をするには、作品をメモ帳等で書いて保存しておくか、または紙のノート等に書いておくのが良いです。紙はちょっと直し辛い点はありますが、逆に慎重に書くことになるので出来上がってくる作品もまた違ってくるはずです。

それから、Jack's Roomが11年も続いて来たといっても未来永劫存続するわけではないので、いつかJack's Roomが消えてなくなった時のために、自分の書いた作品は手元に残しておくことをおすすめします。

私のやり方がベストというわけではないですし、短時間でできあがってしまう作品も時にはあります。しかし、今までいつも短時間で作品を書き上げていた人には、ぜひ一度こういった「ゆっくり書く方法」を試してみて欲しいと思います。

書くことの楽しみが、きっと広がってくると思います。

それでは、今回はこのくらいで、Jackでした。

// Jack
posted by Jack at 00:10 | Comment(2) | TrackBack(0) | 詩の書き方、読み方

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